2016年1月6日水曜日

公益財団ナショナルトラストの会で活動報告

「空いてて住める合掌家屋があるなら、お借りできませんか?」
と「ひょうたんから駒」のように、たまたま生まれた合掌家屋の居住体験。

世界遺産地区の村の方々にも、家屋の所有者の日本ナショナルトラストさんからも
OKいただいたのが、ちょうど去年の10月なかばのどぶろく祭り。
文化財に住むという村でも前代未聞の企画のスタートから約1年が経ちました。

年末に引っ越す予定で準備したものの、大雪で途方くれた去年と真逆で、
今年は雪が全くない!

12月初旬でまだ屋根葺きしてました

 暮らしやすくて嬉しいのか、滑るために来た身としては悲しいのはさておき、
築150年、ほぼ当時のままの家屋で過ごした約1年の軌跡を
トラストさんや会員の皆さんに報告するため「会員の集い」に招待されました。

 当日の会場は神保町の学士会館(これまた歴史的な建物)
上場企業なども会員に名を連ねる団体のため、いつも以上に緊張しながら会場へ(汗
事前のMTGで、パネルディスカッションで同席する
ナショナルトラストの他の施設に関わる方など各地で活躍する人たちとご挨拶。

絨毯の重厚感、ハンパない
 会員が集まるイベントの開催自体が2年ぶりということで、
年齢層は高めでしたが用意した席も結構埋まり、会としても盛況でした。
登録何十周年という方もいらっしゃり、歴史の重みがビンビンと。

自分の出番は、活用の事例報告と、後半のディスカッション。
同席して、行きたいなーと思ったのは、琴引浜鳴き砂文化会館
世界で初めての鳴き砂の文化施設だそうです。
海も綺麗だし、砂浜も森も素晴らしいロケーション。まだまだ知らない日本が
たくさんあるなあと勉強になりました。



約1時間のディスカッションでは、
実際に住んで使っていることをどう感じられたか、ドキドキだったけど、
総じて好意的な意見が多くてほっとしました。
逆にトラスト本体に対して、情報発信が少なく、様子が伝わりづらいという熱い意見や、
こうした会を今後も続けて欲しいなど活発な意見交換があり、
想定時間をオーバーしかけるほど盛況ぷりでした。 
村の取り組みとして話したワークショップについても途中盛り上がりました。



今回声をかけてもらったり、現場で感じたのは

・コミュニケーションデザインの不足
業績が悪いと真っ先に削られるのが広告宣伝費なのと同じで
組織内外のコミュニケーションは非常に軽視されがちなんだけど、
モノゴトをつくれば、買われていく消費中心の時代ではないので
ストーリーと情報を紡がないと人の気持ちが動かない。
そして、こういうことを企もうとすると、それなりにエネルギーが必要

・守りと攻めの難しさ
これまで積み重ねてきた歴史を軽んじるわけではないけど、
あらゆる環境が変わってきている中で、仕組みだけだけがアップデートされておらず、
生き残るのに必要なトライ&エラーがしづらい
役場にいてもそうだけど、決めるまでの時間が民間からするとかなり長い
 
 ・シチズンシップの欠如
自然を守ることや史跡を守るために、
実際に手を動かすこと、寄付をすることなど
自分ごととして、団体や運動に参加しようとする人の母数が少ない。
(僕も村に来る前そうだったけど)どこか他人事だし、政治にしてもそうで
学校でいうと優等生みたいな人がやるイメージが勝手にあった。
いわゆるシチズンシップや市民教育の意識が今の日本に欠けてるな、と反省も踏まえて。
文化材や自然保護について、海外と日本とを比べるて考える機会が
多いので余計に感じます。そこで思考停止するつもりもないので、
じゃあどうやってそれを少しでも変えていくかが大事だなと。 

東京駅の保存運動で活動された多児さんと。
今は新国立競技場の建設関係で意見を出されているようです。
キリリと伸びた背筋はヴィヴィアンウエストウッドみたいだった

ナショナルトラストさんも、スタッフが増えたりして、これから本来の文化財の活用について、具体的なプロジェクトが始まる予定。
今後の展開が楽しみです。

また今回の取り組みで嬉しかったのは、
この家屋の保存で尽力された当時役場で働いていたおじいちゃんが
色々と思い出を話してくれたこと。
大事な気持ちを受け取った気分になりました。
また、ロジックとアイデアをつなぐ、行政と民間をつなぐ、
これまで一番自分のキャリアだった間を取り持ちチームをつくる、というノウハウを
必要としている場所はたくさんあると思いました。
僕がこの家で暮らすのは、家屋と村の長い歴史のほんの一瞬ですが、
せっかくできたご縁、今後も色々とお手伝いしていきたいと思います。
今後もよろしくお願いします。

公益社団法人ナショナルトラストでは日本の文化や自然を守る会員を募集しています。
ご興味ある方はこちらより!

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